新元号へのご準備は、大丈夫ですか?

2019年5月1日より、新元号に変更されます。

2019年4月30日に天皇陛下が退位され、翌5月1日平成から新しい元号に改められます。どんな新元号になるかも気になりますが、元号の変更で、私たち印刷業界も色々な影響が考えられます。昭和から平成に変わった時はどうだったでしょうか?

「平成」が始まったのは、1989年1月8日(日)。前日7日(土)に昭和天皇が崩御され、元号選定の手続きがとられました。昭和天皇のご体調が悪化していた前年88年から、各種イベントの中止など自粛ムードに包まれましたが、平成に改元されてからの日経平均株価は、翌営業日である9日(月)の終値は469円高の3万678円、その後5日間での上げ幅は1,088円となりました。

昭和から平成の改元のきっかけは天皇陛下の崩御でしたから、その後の展開は急でした。今回は退位という前もった準備の中で進められるのが大きな違いです。





新元号の発表は即位の1ヵ月前と発表とのことで、印刷物に関して言えば、発表直後は印刷物の発注が集中するため、印刷会社に早めに相談しておくことをおすすめいたします。

現在和暦(元号)が使われている印刷物は、パンフレット、伝票類、申請書類などたくさんあります。変更準備が必要な印刷物をチェックし、事前に確認しておくことが大切です。

変更対応方法は、主に以下の4パターンが挙げられます。

1. 和暦→西暦に変更(今後に対応できるよう、これを機に表記方法を変更)
2. 元号を削除する(元号自体を削除する)
3. 新元号のスペースを空けておく(新元号発表後に記入出来るよう空けておく)
4. 現在のものを訂正して使用する(訂正シール・二重線を引くなどの対応)

また、4月から翌年3月までの区切りの「年度」は、どうなるのでしょうか?
過去2回の改元を調べると、

大正→昭和
・大正15年=1926年 1月1日～12月25日(大正15年度)
・昭和 元年=1926年12月25日～12月31日(大正15年度)
・昭和 2年=1927年 1月1日～12月31日(大正15年度→昭和2年度)

昭和→平成
・昭和64年 =1989年1月1日～ 1月7日(昭和63年度)
・平成 元年 =1989年1月8日～12月31日(昭和63年度→平成元年度)
元号関連の精度を管轄する内閣府大臣官房総務課より「2019年度に関しては平成31年度と新元号元年度が併記される可能性もある」とされています。

元号が発表された後で慌てることがないよう、各署と相談し、年度の表記を統一した結論を出しておく必要があります。

運転免許証については、警視庁が2018年8月2日に有効期限の表記を西暦にすることを決め、官公庁では改元時の混乱を防ぐために、システム上の日付を西暦に統一する方向で討議が進められています。

また、皇太子さまが天皇に即位される2019年5月1日と、即位を内外に宣言する即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ)が行われる2019年10月22日を1年限りの祝日とすると、日本には祝日法という法律があり、前後が祝日である平日は「国民の休日」となるため、4月末の連休と5月頭の大型連休が繋がり、結果「10連休」となります。
この期間の経済効果も大いに期待されます。



2019年に新しい元号となり、その翌年2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。これから数年間のうちに、日本の歴史に新たな1ページが刻まれるような、大きな出来事が予定されています。
今後の日本経済がどのように変わっていくかも楽しみです。