ロータリーの歴史
さて最終例会となる今週は、ロータリークラブの標語とも言うべき
四つのテストが出来た経緯を調べてみました。
1931年、包装済食品戸別訪問販売の職業分類でシカゴ・クラブの会員であったハーバート・テーラーは、
不況のあおりを受けて、莫大な借金を抱え倒産の危機に瀕していたクラブ・アルミニウム社の経営を引き受けることになりました。
もしも、会社の再建に失敗すれば、250人の従業員が仕事を失うことになります。
彼はこの状況から脱出して、会社を再建するためには、道徳的、倫理的な指標がどうしても必要だと考えました。
従業員が正しい考え方を持って正しい行動をすれば、会社全体の信用が高まるに違いありません。社員全体が簡単に憶えられて、自分を取り巻く全ての人たちに対して、考えたり、言ったり、行動したりするときに応用できる、
道徳的な指標が必要であることに気づいたのです。
これは長すぎると判断しました。
そこでさらに検討して、それを7つの項目にまとめたのです。
四つのテストは当初は、七つのテストだったのです。
しかし、これでも長いと考えた彼は、それを自問形式の4項目にまとめ上げ、それが今日の四つのテストとなりました。
四つのテスト
言行はこれに照らしてから
1.真実かどうか?
2.みんなに公平か?
3.好意と友情を深めるか?
4.みんなのためになるかどうか?
早速これを使う機会が訪れます。
「世界で最高の調理器具」というキャッチ・フレーズが書かれた印刷物の校正刷りが、彼の机に届いたのです。
「世界で最高だということを証明することはできないし、それは間違いかもしれません。」
彼は広告担当のマネジャーを呼んで、最高という文字を削除し、
それ以来「最もよい」とか「最も見事な」のような単語を使うことをやめて、単に製品についての事実を述べることにしました。
また、取引先の印刷所が見積もりを間違えるという事件が起こりました。
印刷所は、品物を届けてしまった後に、500ドル安く見積りしたことに気づいて、半ばあきらめながらも、その事実を会社に告げました。
法的にも社会通念上からも、その訴えを退けることは可能でしたが、四つのテストの[みんなに公平か?]に抵触するという意見に従って、
500ドルを上乗せして支払うことにしました。
この様に、高い道徳的水準に基づいた真摯な会社経営は、消費者の信用につながって、クラブ・アルミニウム社は売上を伸ばし、
5年後にはその借金は利子と共に完済し、15年後には株主に多額の配当をするまでに業績を伸ばしました。
ハーバート・テーラーは1939-40年にクラブの会長、1954-55年に国際ロータリーの会長を務め、
その際この四つのテストの版権をRIに寄付し、今日に至っています。
四つのテストの和訳は、1954年に、全国のクラブに日本語訳の応募を働きかけた結果、70数件の応募が寄せられ、
本田親男(東京クラブ)の応募訳が"当選原案"として採択されました。
標題については、手島知健パストガバナーが、
応募案の中で1番多い用語である《四つのテスト》を選ばれて現在の"標準邦訳"になりました。
約5ヶ月間ロータリーの歴史シリーズとして挨拶の時間に書いてきましたが
これも今週で一旦終了となります。
ただ、歴史シリーズは別の形として不定期に更新していこうと思いますので
ご興味のある方はサイトやFacebookページをチェックしてみてください。
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四つのテストが出来た経緯を調べてみました。
四つのテストが出来たきっかけは世界恐慌
アメリカ経済は1937年の夏には「恐慌の中の恐慌」と呼ばれるほどの危機的状況を迎えます。
不況のあおりを受けて、莫大な借金を抱え倒産の危機に瀕していたクラブ・アルミニウム社の経営を引き受けることになりました。
もしも、会社の再建に失敗すれば、250人の従業員が仕事を失うことになります。
彼はこの状況から脱出して、会社を再建するためには、道徳的、倫理的な指標がどうしても必要だと考えました。
従業員が正しい考え方を持って正しい行動をすれば、会社全体の信用が高まるに違いありません。社員全体が簡単に憶えられて、自分を取り巻く全ての人たちに対して、考えたり、言ったり、行動したりするときに応用できる、
道徳的な指標が必要であることに気づいたのです。
四つのテストは当初は七つのテストだった
社の倫理訓について構想をめぐらせたハーブは最初、およそ100語からなる文章をしたためましたが、これは長すぎると判断しました。
そこでさらに検討して、それを7つの項目にまとめたのです。
四つのテストは当初は、七つのテストだったのです。
しかし、これでも長いと考えた彼は、それを自問形式の4項目にまとめ上げ、それが今日の四つのテストとなりました。
四つのテスト
言行はこれに照らしてから
1.真実かどうか?
2.みんなに公平か?
3.好意と友情を深めるか?
4.みんなのためになるかどうか?
早速これを使う機会が訪れます。
「世界で最高の調理器具」というキャッチ・フレーズが書かれた印刷物の校正刷りが、彼の机に届いたのです。
「世界で最高だということを証明することはできないし、それは間違いかもしれません。」
彼は広告担当のマネジャーを呼んで、最高という文字を削除し、
それ以来「最もよい」とか「最も見事な」のような単語を使うことをやめて、単に製品についての事実を述べることにしました。
また、取引先の印刷所が見積もりを間違えるという事件が起こりました。
印刷所は、品物を届けてしまった後に、500ドル安く見積りしたことに気づいて、半ばあきらめながらも、その事実を会社に告げました。
法的にも社会通念上からも、その訴えを退けることは可能でしたが、四つのテストの[みんなに公平か?]に抵触するという意見に従って、
500ドルを上乗せして支払うことにしました。
この様に、高い道徳的水準に基づいた真摯な会社経営は、消費者の信用につながって、クラブ・アルミニウム社は売上を伸ばし、
5年後にはその借金は利子と共に完済し、15年後には株主に多額の配当をするまでに業績を伸ばしました。
ハーバート・テーラーは1939-40年にクラブの会長、1954-55年に国際ロータリーの会長を務め、
その際この四つのテストの版権をRIに寄付し、今日に至っています。
四つのテストの和訳は、1954年に、全国のクラブに日本語訳の応募を働きかけた結果、70数件の応募が寄せられ、
本田親男(東京クラブ)の応募訳が"当選原案"として採択されました。
標題については、手島知健パストガバナーが、
応募案の中で1番多い用語である《四つのテスト》を選ばれて現在の"標準邦訳"になりました。
約5ヶ月間ロータリーの歴史シリーズとして挨拶の時間に書いてきましたが
これも今週で一旦終了となります。
ただ、歴史シリーズは別の形として不定期に更新していこうと思いますので
ご興味のある方はサイトやFacebookページをチェックしてみてください。
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