ロータリーの歴史
ロータリーの歴史シリーズは、さらに続きます。(先週の例会)
ロータリーの歴史を語るとき、創立者であるポール・ハリス、
先週紹介した組織の構築者であるチェスレー・ペリーと共に、
ロータリー理念の提唱者であるアーサー・フレデリック・シェルドンの存在を忘れることはできません。
強引といってもいい流れで奉仕の理念の導入をしようとしたので
奉仕派と親睦派の対立を生むことになってしまい、
結果的に宣伝拡大委員長を罷免されてしまったシェルドンでしたが、
そのパワーは全米ロータリークラブ連合会で活かされることになります。
シェルドンは、ミシガン大学の経営学部で販売学を専攻し、修士課程をトップの成績で卒業し
当時開発されつつあった販売学の大家でもありました。
シェルドンの販売学理論によれば
商取引というものは売手買手の双方に満足なくして成り立つものではないということと、
長期的に商売を成立させるためには、売手と買手の間に信用と呼ばれる
信頼関係が確立されることが眼目であって、長期的に安定した利潤をあげることは、
この信用確立という精神的境地の確立と表裏一体の関係にある。
「奉仕に徹する者に最大の利益あり」He profits most who serves best.
と述べています。
また彼は、
どんな手段を講じようとも、富を得たものが成功者としてもてはやされた19世紀の利己的な経営手法を批判すると共に、
単に自分だけが儲けようという商売から脱して、
商売とは他人に対してサービスすることであることを力説し、
20世紀の実業人を成功に導く方法は、利益を他人とシェアするというサービス学を遵守することである。
と説きました。
さらにシェルドンは、
持続して繁栄し発展しているいくつかの企業に共通して見られる特徴を、
サービスと名づけました。価格が安いことだけがサービスではなく、
店主や従業員の顧客への態度や気配り、商品や業務に対する責任、顧客が感じる満足感と公平感、
こういったもの全てがサービスであり、サービスこそが企業の永続的発展と成功を保証する
唯一の方法であることに気づいたのです。
シェルドンが、敵を作りながらも「サービス=奉仕」の取り込みに力を入れたのは
この考えがあったからなのですね。
現在では当たり前のような「奉仕・・サービス」という言葉から思い浮かべ ることは、当時は
「神に対する奉仕・・・教会」「国に対する奉仕・・・兵役」 「主人に対する奉仕・・・召使」といった程度だったようで
経営と奉仕 とを結びつけることに思いを馳せる人は誰もいなかった...
ゆえに苦労することになったというのが実際のようです。
1910年8月15日から17日まで、シカゴのコングレス・ホテルで、
全米ロータリークラブ連合会の第一回年次大会が開催されました。
ここでついに、物質的相互扶助の慣習から脱却して、職業倫理を高めるための最初の公式文書として、
新たなロータリーの綱領が採択されました。
.png)
第2回全米ロータリークラブ連合会の年次総会
そして、1911年の第2回全米ロータリー連合会のポートランド大会において
「経営の科学とは奉仕の科学のことを言う,すなわち"奉仕に徹する者に最大の利益あり"」
He profits most who serves best.
というシェルドンの標語が発表され
大会決議委員長ポートランド・クラブ会員ジェイムズ・E・ピンカムはこれをロータリー宣言の最後に加えるべきだと提案し
この標語はロータリーの世界に君臨し始めました。
個人的には、この「サービス」は今で言う「顧客サービス」に近いものに思えました。
しかしながら、当時ではこのサービスの概念はかなり斬新で、
己の利益ばかりを考えるのではなく、相手の立場にたった行動が重要であるというところが理解され
次第にロータリーの組織に浸透して行ったようです。
ここから奉仕の精神はさらに発展していくのは周知の通りです。
これ移行、ロータリーは国際的な組織へと発展していきますが
その流れはまた次回にいたします。
« ロータリーの歴史一覧へもどる>
奉仕の理念を根付かせたアーサー・フレデリック・シェルドン
.png)
先週紹介した組織の構築者であるチェスレー・ペリーと共に、
ロータリー理念の提唱者であるアーサー・フレデリック・シェルドンの存在を忘れることはできません。
強引といってもいい流れで奉仕の理念の導入をしようとしたので
奉仕派と親睦派の対立を生むことになってしまい、
結果的に宣伝拡大委員長を罷免されてしまったシェルドンでしたが、
そのパワーは全米ロータリークラブ連合会で活かされることになります。
シェルドンは、ミシガン大学の経営学部で販売学を専攻し、修士課程をトップの成績で卒業し
当時開発されつつあった販売学の大家でもありました。
シェルドンの販売学理論によれば
商取引というものは売手買手の双方に満足なくして成り立つものではないということと、
長期的に商売を成立させるためには、売手と買手の間に信用と呼ばれる
信頼関係が確立されることが眼目であって、長期的に安定した利潤をあげることは、
この信用確立という精神的境地の確立と表裏一体の関係にある。
「奉仕に徹する者に最大の利益あり」He profits most who serves best.
と述べています。
また彼は、
どんな手段を講じようとも、富を得たものが成功者としてもてはやされた19世紀の利己的な経営手法を批判すると共に、
単に自分だけが儲けようという商売から脱して、
商売とは他人に対してサービスすることであることを力説し、
20世紀の実業人を成功に導く方法は、利益を他人とシェアするというサービス学を遵守することである。
と説きました。
さらにシェルドンは、
持続して繁栄し発展しているいくつかの企業に共通して見られる特徴を、
サービスと名づけました。価格が安いことだけがサービスではなく、
店主や従業員の顧客への態度や気配り、商品や業務に対する責任、顧客が感じる満足感と公平感、
こういったもの全てがサービスであり、サービスこそが企業の永続的発展と成功を保証する
唯一の方法であることに気づいたのです。
シェルドンが、敵を作りながらも「サービス=奉仕」の取り込みに力を入れたのは
この考えがあったからなのですね。
現在では当たり前のような「奉仕・・サービス」という言葉から思い浮かべ ることは、当時は
「神に対する奉仕・・・教会」「国に対する奉仕・・・兵役」 「主人に対する奉仕・・・召使」といった程度だったようで
経営と奉仕 とを結びつけることに思いを馳せる人は誰もいなかった...
ゆえに苦労することになったというのが実際のようです。
1910年8月15日から17日まで、シカゴのコングレス・ホテルで、
全米ロータリークラブ連合会の第一回年次大会が開催されました。
ここでついに、物質的相互扶助の慣習から脱却して、職業倫理を高めるための最初の公式文書として、
新たなロータリーの綱領が採択されました。
.png)
第2回全米ロータリークラブ連合会の年次総会
そして、1911年の第2回全米ロータリー連合会のポートランド大会において
「経営の科学とは奉仕の科学のことを言う,すなわち"奉仕に徹する者に最大の利益あり"」
He profits most who serves best.
というシェルドンの標語が発表され
大会決議委員長ポートランド・クラブ会員ジェイムズ・E・ピンカムはこれをロータリー宣言の最後に加えるべきだと提案し
この標語はロータリーの世界に君臨し始めました。
個人的には、この「サービス」は今で言う「顧客サービス」に近いものに思えました。
しかしながら、当時ではこのサービスの概念はかなり斬新で、
己の利益ばかりを考えるのではなく、相手の立場にたった行動が重要であるというところが理解され
次第にロータリーの組織に浸透して行ったようです。
ここから奉仕の精神はさらに発展していくのは周知の通りです。
これ移行、ロータリーは国際的な組織へと発展していきますが
その流れはまた次回にいたします。
« ロータリーの歴史一覧へもどる>